翻訳会社トライベクトル-弊社の美術、アート翻訳実績のご紹介

このままで大丈夫?美術館 Web サイトの多言語化

アート翻訳トップ »

圧倒的に少ない美術館の Web サイトの多言語化

観光施設の「雄」である美術館や博物館ですが、2015年ごろから、外国人観光客の増加によって明らかに良い影響を受けているところと、そうでないところがあります。

明らかに、その原因のひとつとなっているのが多言語 Web サイトの有無です。

今回はそこにフォーカスして考えてみます。

外国人観光客から見れば Web がなければ「存在していない」のと同じ事

そもそも Web サイトは、業界は関係なく今や絶対に必要なものです。
一般企業なら Web サイトがなくては話になりません。

Web サイトには商品、価格、品質、サポート、ニュース、会社概要など
あらゆる情報を掲載することができます。

当然ながらほとんどの美術館や博物館では、展覧会の情報やアクセス情報などを
掲載しているはずです。

これらの情報がなければ、誰でも美術館を訪れる事ができないからです。

しかし、非常に残念な事に、あくまでこれらの基本情報が記載されているのは
日本語版のみであり、海外をまったく意識していない美術館や博物館が非常に
多いようです。

ここで、考えてみてください。

日本語の案内しかない美術館にいったい誰が行こうと思うでしょうか?

当然これは、日本人でも外国人でも同じ事が言えますが、「ぜひ行ってみたい」と思うことは稀でしょう。

そもそも英語圏で存在しない美術館を探す事はできません。仮にできたとしても不親切な案内であれば、訪問意欲も薄れてしまいます。

日本全国にある美術館の4割~5割が英語版の Web サイトすら存在しないという
調査結果もあるくらいですから、これは致命的といってもいいくらい、由々しき事態でしょう。

今、日本には多くの外国人観光客が押し寄せています。

厳しい表現になりますが、これだけ盛り上がっているにもかかわらず、連日メディア等で放送、発表される外国人観光客を無視し、インバウンド産業の中でも特に観光施設の代表ともいえる美術館や博物館が「まったくその気になっていない」のではないでしょうか。

外国人観光客に迎合する必要はありませんが、日本の美術や文化を定期的に発信して知ってもらう事は、相手が日本人でも外国人でも等しく重要です。

その継続的な作業を怠れば、やがて大きなしっぺ返しがくるでしょう。

一方で、その気はあっても予算がないために作ることができないという事情もあるかもしれません。

この問題は美術館だけですぐに解決できないとしても、「そもそも集客する気がない」という場合はお金の問題ではないので、早急に対応すべきでしょう。

なぜなら英語版がないというのは「貴館が世の中に存在していない」というのと同じ意味だからです。ハッキリ言って日本語があるから大丈夫というのはまったくの間違いです。

実は、その理由は人口統計からも見て取る事ができます。

減少する日本人人口と増加する外国人観光客

日本の人口は、今後減少局面に入ります。2040年には、人口は1億人を切るといわれています。

test-8

※出典:国立社会保障・人口問題研究所

日本の地域別将来推計人口

http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson13/1kouhyo/gaiyo.pdf

 

これはどういうことかと言えば「日本人だけを集客していたのでは美術館も博物館も到底成り立たなくなってしまう可能性がある」ということです。

単純に、日本人の来館者数が減少してしまうのです。

すでにそれはあと 25年後に現実のものとなります。

これでもまだ日本語だけで対応しようと思いますか?

一方、2015年には2,000万人に届きそうだった外国人観光客数ですが、この数字は2016年以降もさらに増加するといわれています。

このインバウンド産業は明らかな成長産業であり、多くの企業が参入しています。
美術館も博物館もこの点では同様です。

減少する日本人人口と増加する外国人観光客。この2つをしっかりと理解すれば、英語やその他の言語に翻訳することがなぜ大切なのかご理解いただけると思います。

それでもインバウンドなんて関係ない?

それでも「インバウンド対策なんて関係ないよ」と考えていると、数年後にはその結果が明確に出てしまうでしょう。
「日本人観光客数が減っても外国人観光客が増えている」という収益構造ができれば、日本文化や伝統の世界発信にもなりますし、歴史的観点からも素晴らしい作品や作家を未来へ繋いでいくことができます。

そのためには意識改革が必要です。

そしてまず最初に大切になるのは、Web サイトの多言語化です。

どんなに素晴らしく、独自の展示を行っていたとしても、英語版の Web サイトがないためにアピールできなければ、どんなに成長産業の真っ只中にいても、何も恩恵はありません。

周辺の観光施設や観光ルートが充実していれば「おこぼれ」で客数は増えるかもしれませんが、それは一時のこと。長続きしません。

外国人観光客が来館しても何も準備されていないからです。

そうならないためにも今からしっかりと多言語版を準備することをオススメします。

2016年も確実に増える外国人観光客(欧米人の増加)

インバウンドというと中国人の「爆買い」ばかりが報道され、そういったイメージが先行していますが、実際にはそんなことはありません。

美術館や博物館に来る外国人観光客はアジア人だけではなく、欧米からの観光客も多いのです。

これは2016年以降も増えていくでしょう。

Web サイトの英語版を作っておけば、欧米人はもちろんのこと、中国や韓国などからの観光客も英語が読める方が多いので、一石二鳥です。大切なのは、すぐに取り組むことです。

モタモタしていれば、他の美術館や他の観光地に外国人観光客を取られてしまいます。

増え続ける外国人観光客に来館してもらい、貴館の素晴らしさを伝えたいと考えるなら
Web サイトを翻訳し英語版を制作しましょう。

fb

Webサイトの多言語対応をするための3つのポイント

今からでも遅くない。着実にひとつずつ言語を増やす

Webサイトの翻訳をしようと考えたときに、まずはターゲット言語を決めなくてはなりません。

ただし、最初に翻訳するのは絶対に「英語」です。

理由は明白、英語は全世界で使用されている言語だからです。英語による情報発信は、全世界のアートファンに届ける事ができるからです。

まずは英語への翻訳からスタートしましょう。

そしてその後は、来館者の傾向を掴んだ上で言語を決定します。

一般的には、アジア圏からの来館者も多いので中国語や韓国語、タイ語あたりが次のターゲット言語になります。

ただ、美術館によっては、フランス人が多い場合などもありますので中国語への翻訳よりも先にフランス語に翻訳するほうがいいケースもあります。

翻訳する言語の順番を見極めるには、来館者や Web サイトのアクセス解析などを使用して把握するのが最適です。

ターゲットの選定

アクセス解析や来館者の内訳を観察し調査することで、どんな人たちが興味を持っているのかを知る事ができます。

貴館が設定しているターゲット層と合致していれば問題ありませんが、そうでない場合には集客するターゲットを明確に設定しなければなりません。

「読み手にとって役に立つ情報発信を継続する」という発想を持つ

ターゲットを設定したら、精度の高い情報を定期的に発信します。

これも英語に翻訳して露出していくことにより、海外の旅行者が読む事になります。

予備知識を蓄え、旅行者のまた楽しみな気持ちを醸成することで来日してからの期待値がグンと高くなります。
そのため、適当な翻訳では相手の心には響きません。

美術、アートに造詣の深い翻訳者による翻訳でなければ、読み手をつれてくることは難しいでしょう。
質の低い情報を10回出すくらいなら、信頼できる情報やコンテンツを1回出すほうが価値があります。
「読み手にとって役に立つ情報発信を継続する」ことが重要です。

インバウンド対策に積極的に取り組む美術館、取り組まない美術館の「格差」

このように、愚直な実践を続ける美術館には、外国人観光客は徐々に増えていくでしょう。これは弊社のお客様へのインタビュー結果から見ても明らかです。

積極的に自分たちができる範囲で取り組んでいくことができれば、時間はかかっても必ず良い結果、期待した結果が生まれます。

しかし何もしなければ何もしなかったという結果しかありません。
すでに述べましたが、日本はこれから超高齢化社会になり、2040年には40%以上の日本人が高齢者となるという統計もあります。

そのとき、美術館へわざわざ足を運ぶ人口、人種はどう変化するのでしょうか?

毎日少しずつの情報発信が、3年後、5年後に大きな「格差」を生み出すとしたら?
今から Web サイトを充実させ、英語版を作っていけばどうなるでしょうか?

このように考えたとき、とるべき行動はひとつしかないのではないでしょうか。

fb

Leave a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です