「コロナ明け」とも呼ばれるようになり、海外からの訪日観光客数もかなり増えてきました。一部にはオーバーツーリズムにもなっている観光地があったり、ライドシェアの問題などいくつかの課題が顕在化しています。
とはいえ、海外からの外国人観光客は日本にだけ来ているわけではありません。そのため、来日する外国人観光客数を増やし、経済を活性化させたり、日本文化を発信していくことを考えたときに「集客」という生命線はミュージアムとしてもしっかり確保しておく必要があります。
そんな中で SNS の運用は外すことができない大切な要素ですが、特にミュージアムと相性の良い Instagram はしっかりと活用していきたい所です。
※多くの外国人観光客が Instagram で検索しているという事実を無視することはできません。
そこで今回はコロナ中に開催した弊社セミナーでご紹介した「今日からできるミュージアムのための Instagram 向けの写真の撮り方」の資料を基に、どのようにすればミュージアムにとって効果的な Instagram 用の写真が撮れるのかをお伝えします。
Instagram アカウントの作成/開設
まず Instagram アカウントをお持ちでない場合には、アカウントを作成/開設することから始めましょう。
- Instagramのアプリをインストール
- [新しいアカウントを作成] をタップ
- [メールアドレスか電話番号で登録]をタップ
- メールアドレスまたは電話番号を入力*
- 名前とパスワードを入力*
- 誕生日を入力
- ユーザー名を設定*
- プロフィール写真の設定
※設定方法は検索すると沢山出てくるのでそちらでご確認ください
※メールアドレスやアカウント名などは館名で設定するのが基本です
フィード投稿/ストーリー/リール/動画/インスタライブを理解する
アカウントの準備ができたら、次は Instagram の各機能を簡単に抑えておきましょう。主に以下のように分かれています。
種類 | 機能説明 |
---|---|
フィード投稿 | 通常の投稿のこと。フィード画面に投稿がタイムラインに表示される |
リール | 最大90秒の動画投稿(TikTokと同じ動画が投稿されることが多い)で、タイムラインに表示される |
動画 | リールと違い、最大60分の動画投稿が可能 |
ストーリーズ | ショート動画のこと。投稿後24時間で投稿が消える |
投稿用の写真を iPhone で撮影する
では実際に、フィードやリールなどに投稿する素材をスマホ(今回は iPhone)で撮影する際のポイントについて解説します。
撮影時に絶対に抑えておきたい3つのポイント
基本中の基本なのですが、意外と知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか。今やスマホでもかなり高画質の写真が撮れるようになったからこそ、基本をしっかり抑えることでより魅力的な写真を撮ることができます。
光の方向を観察する
写真の撮影時には重要な「光の方向性」です。どの方向から光が差しているのか、またどのような方向性にしたいのかによって被写体の印象は大きく変わってしまいます。以下のように同じ人物でも印象が違うのがお分かりになるかと思います。
サンプル1
サンプル2
サンプル3
このように、「どのように見せたいか」から逆算して光の調整を行う必要があります。
アングル・構図を決める
撮影時に重要なポイントとして、アングルや構図が挙げられます。どのように切り取り、どのような角度で見せていくのか、それぞれの特徴を理解しておくことで、よりフォトジェニックな写真を撮ることが可能になります。
以下はいわゆる「タテ構図」「ヨコ構図」のサンプルです。
- タテ位置/タテ構図:奥行きを表現することができます。被写体を中心に主体的に見せることができます。
- ヨコ位置/ヨコ構図:広がりを表現することができます。全体が見渡せるので安定しています。
また、真上から、斜め上からという撮影方法も有効です。
サンプル4
スマホの機能を活用する
スマホはもはや生活必需品でありインフラとも言えます。カメラの性能はかなり上がっていますが基本の機能は理解しておきたいところです。
広角と望遠
以下のサンプルは、広角カメラ、標準カメラ、望遠カメラの違いです。
サンプル5
サンプル6
広角は被写体の周りの情報も多く取り込めたり周囲の情報と被写体を比較することができます。サイズ感などを表現したいときに有効です。また周囲の情報があることによって、被写体自身がどこに存在するかを把握することができます。
一方、望遠の場合には、距離があるものを近くに見せたかったり、被写体自身のディテールを表現したい場合に有効です。自分が気になった個所にフォーカスすることができるため高い表現性があります。ある意味では「撮影者が気になる箇所だけにトリミングできる」ということです。
ポートレート機能
サンプル7
ポートレート機能もスマホで簡単に使用できる便利な機能です。ポートレート機能は、素人が撮る写真であってもいわゆる「プロっぽく」できます。また被写体の気になっている箇所にフォーカスすることができます。
逆にポートレート機能が無い場合の写真では、すべての情報を見せることができますし、ひいては正確な情報を伝えることが可能になります。
グリッド線
水平や垂直を意識して撮影することができます。動画の場合には手ブレなどもありますが、写真の場合はグリッド線を表示させておくことで見る側にとっては違和感のない写真になります。
サンプル8
グリッド線を活用するかしないかは、その被写体を見れば一目瞭然です。以下のサンプルでもグリッド線に沿っているかどうかは素人目でも明らかです。
まとめ
このように基礎をしっかり抑えるだけでもかなり精度の高い写真を撮ることができます。ミュージアムの場合、館内撮影が難しいケースも多いのですが、ミュージアムとしての発信には Instagram が最適です。繰り返しになりますが、外国人観光客の多くは、タビマエ、タビナカとInstagramを検索しているという結果もあります。
今からも遅くありません。アカウントをお持ちでない方もぜひチャレンジしてみましょう。
弊社ではアカウント開設から運用など、ミュージアム向けの SNS 運用代行も行っておりますのでぜひお気軽にお問い合わせください。