館長からの1本の電話
数年前、ある館の館長さんからお問い合わせをいただきました。お問い合わせの内容はこんなものでした。
・ここ最近、外国人観光客が増えている
・少しずつインバウンド対策をしている
・しかし何故か上手く行っている感じがしない
・色々な代理店をつかってきたがうまくいかない
・画期的な対策はないか、あれば提案してほしい
このような内容でしたが、正直申し上げてこれでは何をどうしたいのか、まったく分かりません。そこでいくつかお伺いしました。
「現在はどのような対策を取っているのですか?」
「対策の中には効果のあったものや、逆にそうでなかったものもあると思うのですが、具体的にはそれぞれどんな対策ですか?」
「どんな方々に来館してほしいと思いますか?」
これに関しての回答は、
「いや、そういうのは分からないけど、とにかく画期的な案を出してほしい。無ければもういいから」
と一方的なものでした。残念ながら、これでは何をどうしたいのかがさっぱり分かりません。そこで、もう少し具体的にお聞きしました。
「パンフレットや Webサイトは多言語にしていますか?」
そうしたところ、
「そういうのはとっくにやってるよ。そうじゃなくて、もっと効果的な方法はないの?」
というお返事。これでは埒があきません。弊社として何か回答をすることができませんでした。
問題を問題として意識しているか
弊社ではインバウンドコンサルサービスもご提供しておりますが、これには様々な理由があります。
コンサルサービスについては別途以下の内容で対応しております。
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お問い合わせいただいた館長さんには、コンサルのご案内もできませんでした。なぜなら電話でお伺いした内容だけでは、何も提案できないためです。
「自館の問題はおそらく○○だ」
「そのために○○対策をしてみた。しかし何故か上手く行かなかった」
「ほかにどういう方法があるか分からないから問い合わせてみた」
このように、ある程度まで具体的な話をしていただければお答えできることがあったはずですが、上述のように「よく分からないけれど、何とかしてほしい」というご相談だったため、これではどうにもできなかったのは至極残念でした。
起きている問題を切り分けて(解決策が分からなくても)、問題として意識しているかどうかが、次の一手を見つけるための重要なステップであることは言うまでもありません。
バラバラの対策をしても意味がない
また、館長はこんなこともおっしゃっていました。
「今まで何もやってこなかった訳じゃないんだ。大手代理店にも相談して、翻訳もしたり、ルート対策をしたり、動画も作った。だけどなぜかうまく行かない(期待値に届かない)」
なぜうまく行かないのでしょうか?
それはひとつに「ターゲットが定まっていない」といったこともあるはずです。「みんなに来館してほしい」といった希望だと、大抵うまく行きません。
「みんな」というのは誰のことなのか?恐らく館長ご自身には明確なイメージがあったのかもしれませんが、「みんな」と言う言葉で括られてしまっているため、具体的によく分かりません。
この状態で代理店に相談したところで、(もし代理店にも同じような説明をしているとすれば)「じゃあパンフレットを翻訳しましょう」といった解決策になるのは当然と言えます。また館としても代理店としても効果が見えにくいものに投資をすることになります。
しかし、館にとって本当に必要なのは、もしかしたら翻訳ではないかもしれないのです。
重要なのはインバウンド対策の前の戦略や方向性
どんな対策が効果があって、どんな対策が効果が無かったのかを確認したり、時期を変えてテストしてみたり、来館者にインタビューをしてみたり・・・といったことをするからこそ、効果のあるなしを把握することができるわけです。
それができない(やらない)と、どの打ち手を選択すればいいのかが分からないのです。
インバウンド対策において、無計画こそが最大の敵であり、その無計画はほんの少しの心構えから変えられるということを理解する必要があります。
戦略や方向性という言葉は、抽象度も高く、あいまいさが残りますが、しかしその実、これらがなければ具体策の一貫性を保持することもできません。
館のトップやリーダーこそ、具体的な施策や対策の前に、戦略、戦術といった概念を理解、定義して館内に浸透させなければならないのです。
そういう点では、冒頭のお客様はそれらが(ほぼ)皆無だったため、ラッキーパンチ的にインバウンド対策がヒットすることはあっても、継続させることは困難な状態です。
計画を立てるということは、「やらないこと」を決めることでもあります。もし「みんな」に来館してほしいと思えば、「誰かを切り捨てる」ような感覚に陥るかもしれません。しかし、実際にはそうはならないですし、マーケティング発想からすれば、「みんなに幸せになってほしい」という言葉は耳障りは良くても、限りなく実現不可能としか言いようがありません。
まとめ
今回の例で顕著だったのは、「誰のための館なのか」や「そのために何をしていきたいのか」といった視点が完全に抜け落ちていたことです。
弊社では、アート分野の翻訳サービスを中心に、ミュージアム専門のインバウンド対策サービスもご提供しております。この中にはコンサルティングプランございますが、意識を変えていただくケースもあります。私たちはあくまでそのきっかけに過ぎません。思考と行動を変えるのはとても大変な作業です。しかしながら、このインバウンド全盛の時代には、変化の波は大きく、スピードも早くなっています。
まずはできるところから少しずつ対応していくこと、その意識を持つことが大変重要なのだと感じていただければと切に願うばかりです。
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