翻訳会社トライベクトル-弊社の美術、アート翻訳実績のご紹介

美術館の展覧会で外国人観光客を増やすために知っておきたい2つの言葉

アート翻訳トップ »

集客はうまくいっていますか?

全産業、全分野において「集客」は企業の生命線となります。その重要度は一般企業になれば最高レベルの重要度ですし、公的機関でも集客できなければ運営が立ち行かなくなることもあります。

「お客様を呼んでくる」という行為、つまり「集客」がとても重要です。
だからこそ「集客」に関してのセミナーやテクニックが世の中に存在し、そのための心構えや態度も重要となるわけです。どんな分野でもどんな業種でも同じことが起きています。

貴館は順調に集客ができているでしょうか?特に増加する外国人観光客は順調に増えているでしょうか?

集客が生命線だと知っている組織は大小問わず、徹底的にそこにこだわるため、当然の結果として集客を成功させています。

ご参考までに、2015年にどの美術展が入場者数が多かったのかランキングが掲載されています。

【レポート】2015年美術展入場者数 BEST20

http://www.art-annual.jp/news-exhibition/news/56352/

 

このレポートでも記載されていますが、以下の3つが特徴として挙げられます。

 

  1. 海外の著名な美術館や博物館のコレクション展
  2. 印象派の展覧会
  3. デジタル展覧会や春画展

 

これは一言でいえば「コンテンツの差別化」ができているということであり、それが見る人にしっかり伝わっているからこそ、来館意欲が沸くのでしょう。

しかし、コンテンツがよければ、来館者は増えるのでしょうか?今回はこれを考えてみたいと思います。

「集客」と「接客」の違いとは

 

traveller

集客とは文字通り、お客さんを集める行為です。これができる美術館とできない美術館では大きな違いが出てくるでしょう。

また接客とは、お客様に接する行為です。これがサービスの良しあしや評価を分けるポイントになります。具体的な例で考えてみます。

仮にあなたが店舗を運営しているとしましょう。その場合、集客をしなければなりません。集客とは、チラシを配ったり、ポスティングしたり、CM を打ったり、露出を増やすことです。「お客様に知ってもらう」という行動です。

一方で接客は「お客様がお店の中に入ってきて品物を吟味する」状態に対して対応することを指しています。
すでにニースが顕在化されている場合が多く、店舗なら、商品のサイズや色などを適切なタイミングで提案することで購入確率が高くなります。

このように「集客」と「接客」の違いを理解しておきましょう。

自分たちの仕事で必要なのはどちらなのか

これらは美術館や博物館でもそれは同じですね。

「日曜美術館」のようなテレビに出てみたり、新聞社とコラボレーションしてイベントを開催してみたり、ポスターを作ったりという行為は「集客」になります。

そうやってお客様が来館してから、入場料を払い、丁寧な作品解説があったり、音声ガイドが多言語されていたりすれば、それは「親切な接客」となります。

来館された旅行者に対して、パンフレットを渡したり、英語で受付をしたりという行為は重要ですが、集客ほどではありません。なぜならこれらは、まず自分たちの美術館に来館してもらわなければ発生しない行為だからです。

現在の状況を見た時に、貴館が必要なのはどちらでしょうか?まずはそれを冷静に分析しなければなりません。

お客様がいなければ何も始まらない

貴館がどんなに素晴らしい美術館でも、どんなに素晴らしい作品が展示されていても、誰も知らなければ行くことができません。

これは日本人でも外国人でも同じことです。人間は「知らないものは買えない」からです。

インバウンド、つまり外国人観光客を増やしていく上では、まず知ってもらう行為=マーケティング、集客を学習しなければなりません。

実際、これは何も美術館に限った話ではありません。冒頭にもお伝えした通り、すべてのビジネスに当てはまることなのです。だからこそ、この機会に「集客」と「接客」を分けて考えて、集客に着手するという行動が大切になります。

これがうまくいけば、上述の「入場者数ランキング」にも入ることができるでしょう。お客様がいるからこそ、素晴らしいコンテンツが評価されるのです。

では「集客」は具体的に何から始めればいいの?

集客は理解したが、いったい何から始めればいいのかわからないと思います。

今回は「集客」ツールとしても大変有効な「Web サイト」の多言語化をお勧めします。

Web サイトは集客に必須の集客ツールです。貴館の Web サイトがほったらかしになっているかどうか、こちらの記事で紹介しておりますのでご一読ください。

このままで大丈夫?美術館 Web サイトの多言語化

Web サイトの日本語ページを整理して動線を引き直し、整理したら英語版や中国語版などへ多言語翻訳を行います。
こうすることで、自分たちの Web サイトが「集客のための優秀な広報マン」となってくれるわけです。

ポイントは、自分が海外に旅行するなら・・・という視点

Webサイトを英語にしたからと言って、それですべてが変わるわけではありません。貴館の特徴を出したりして差別化をしたいところです。そのヒントとなるのが「自分が海外旅行に行ったときに、何を見ているのか、どこで情報を集めるのか」という視点です。

例えば、あなたが海外旅行に行くことになり、これまで行ってみたいと思っていたが、ずっと訪れることができなかった美術館があるとします。早速 Webサイトで下調べしようと思って検索したら Web サイトがない、使いにくくて古臭かった、そもそも日本語ページがなかった、という状態では面倒な気持ちが沸き起こってくるのではないでしょうか。

逆に、いろいろな情報が日本語で掲載されていて、より一層訪れたい気持ちがわきおこるような Web サイトだったら、居ても立っても居られなくなるはずです。

それが外国人観光客の偽らざる気持ちです。

自分がしてもらって嬉しいことを書き留め、それを Web サイトに反映しましょう。旅行者の気持ちになって Web サイトを見直すことができるようになれば、より一層効果が出るでしょう。

まとめ

いかがでしょうか。すぐにでも開始できることが沢山あるのではないかと思います。

「コンテンツが良ければ来館者は増える」ということも嘘ではないと思います。滅多に見られない作品だったら誰しも見に行きたいと思うからです。

しかしその「滅多に見られない作品」がその美術館の展覧会にあることを知っていなければ、その希少性すら感じることができません。

そのためにも「集客→接客」というプロセスを外すことはできないのです。

ぜひ自分たちのできることからコツコツと始めてみましょう。