平成29年4月5日(水)に開催されたトライベクトル株式会社主催「何から始めればいい?ミュージアムのインバウンド対策」セミナーについてご報告をいたします。
セミナー内容について
前回同様、セミナーは2部構成で、各テーマに沿ってそれぞれ詳細にお伝えいたしました。
第1部:『迫りくる4000万人の外国人観光客 これから求められるミュージアムのインバウンド対策とは』
第2部:『外国人観光客の心をつかむ多言語翻訳の10のポイント』
今回は、前回のインバウンドセミナーとはコンテンツとは異なり、ミュージアムのインバウンド対策の中でも重要になる「翻訳」について重点的にお伝えしました。
どんな翻訳を作れば外国人観光客に理解され、伝わるのか。そういった文章を作るためにはどこに注意しなければならないのかなど、10のポイントに絞ってお伝えいたしました。
また、今回は「大人の塗り絵」を販売されている河出書房様とのコラボレーションも実現し、こちらもミュージアム向けの体験プログラムとしてご好評をいただきました。
アンケートについて
前回同様、アンケートを実施いたしました。そのうち、ご掲載の許可をいただいた方のみ一部抜粋して掲載いたします(順不同)。
Q. セミナー参加前はどんなことで悩んでいましたか?
「鎌倉というれっきとした観光地にある当館は、インバウンド対策が他館以上に必要な土地柄にも関わらず、予算やノウハウがなく、何から手を付けていいか分からなかった」
「対策を始めているものの、もっときめ細やかな対応方法について知りたかった」
「指定管理者として管理をしていますが、公の事業の一環としてインバウンド対策も必要となってくるところです。美術館とは少し性質の異なる施設ですので、それなりの内容の検討が必要ですが、何から手を付けてよいか分からない中、貴社からのご案内を受け取り、まずは勉強のため受講させていただきました」
Q. セミナー後のご感想
「自社のサービスの宣伝が多いことを多少は懸念しましたが、業界全体としての現状把握を教えていただくことができ、さらには共に取り組んでいきましょう、という姿勢でご説明いただけたことがよかったです。参加者の中には多様な館がいらっしゃり、インバウンド対策への予算や進捗、悩みも様々であろう方々と共に、セミナーを受講できたことも良かったです」
「自分の中で整理できた」
「これまでは具体的なところばかり見ていたが、外国人観光客の目線、また翻訳者からの目線で話を聞くことで、本来の目的を再確認できた。当館でできそうなこと、そこまでは無理なこと、やらなくていいことなどが把握できた」
セミナーまとめ
前回セミナー後も感じた事ですが、インバウンド対策を行っている館とそうでない館の「差」がますます開いているのではないかということです。
また、これも意外ですが、すでにインバウンド対策をある程度行っている館の方が、より良くしたいという意識が強いようです。そうなると、ますますその差は開くばかりではないかと思います。
これは外国人観光客が押し寄せる都心やゴールデンルートだから、またあまり外国人観光客がやってきていない地方だからということも関係しているのかもしれませんが、少なくとも 2020年に 4,000万人の外国人観光客が来るのであれば、多かれ少なかれミュージアム全体が影響を受けるのは間違いありません。
また、前回同様、インバウンド対策の重要性は分かっていても何から手を付けるのか、どこまでやればいいのかを分からないという点もお悩みとしてあるようです。
前回、今回とお伝えした内容をきっかけとしていただき、皆様の業務に応用できれば、「外国人観光客を迎え入れる体制」を整えることができるのではないかと思います。
「マタキタイ美術館」を作るために
外国人観光客は、好むと好まざるにかかわらず増加傾向にあります。それを避けて通るのか、しっかりと対応していくのかによって、東京オリンピックまでの 4 年間、そしてそれ以降のミュージアムの行く末に少なからず影響を与えるというのは間違いありません。
弊社では「マタキタイ美術館・博物館」を今後も作るために「美術館専門の外国人観光客集客サービス」をご提供しております。
外国人観光客に日本を楽しんでもらい、リピーターとなってもらうためには、不断の努力が大切です。しかしそれは何も突拍子なことをやるということではなく、足元からしっかり固めていくこと、やるべきことをやることだと言えます。
外国人観光客が「また来たい」と思い、「また期待」して日本に旅行にやってくるという好循環をいかに作り出せるかは、ミュージアム業務に関わる方々の双肩にかかっていると言えるでしょう。弊社としても、できることは限られておりますが「大切な想いをつなぐ」という経営理念のもと、日本の素晴らしさを世界に発信し続ける点においてミュージアムの方々のお役に立てるよう、今後とも努力してまいります。